【第2回】 呼吸と姿勢 〜呼吸は酸素を取り込むだけじゃない? 二酸化炭素が担う重要な役割〜 Body studio GRACE 北仙台
- Mayuko Miura
- 1 日前
- 読了時間: 4分

〜はじめに〜
前回は、現代人が呼吸をしすぎてしまう原因について解説しました。
スマートフォンやデスクワークによる姿勢の変化、そして日々のストレスによって、私たちは知らず知らずのうちに呼吸が浅く速くなり、必要以上に呼吸をしてしまうことがあります。
では、なぜ呼吸をしすぎることが身体の不調につながるのでしょうか。
その答えを理解するためには、まず「呼吸の本当の役割」を知ることが大切です。
今回は、『二酸化炭素』をテーマに呼吸と身体の関係について詳しく解説していきます。
【呼吸の役割は酸素を取り込むだけではない】
まずは呼吸の役割をみていきましょう。
呼吸には、
① 酸素を取り込む
体内でエネルギーを作るために必要な酸素を全身へ届けます。
② 二酸化炭素を排出する
体内で作られた二酸化炭素を排出し、身体のバランスを保ちます。
③ 血液のpHを調整する
二酸化炭素の量を調節することで、血液を正常な状態に保ちます。
④ 自律神経を整える
呼吸のリズムによって、心身を活動モードやリラックスモードへ切り替える働きを助けます。
この中でも、今回特に注目したいのが**「二酸化炭素」**です。

【二酸化炭素は悪者ではない】
二酸化炭素というと、 「不要な老廃物」 というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし実際には身体にとって非常に重要な存在です。
私たちが吸い込んだ酸素は、血液中のヘモグロビンというタンパク質に結合して全身へ運ばれます。
しかし、酸素はヘモグロビンに乗っているだけでは意味がなく、筋肉や臓器など必要な場所で降ろされなければなりません。
その時に重要な役割を果たすのが二酸化炭素です。
二酸化炭素が適切に存在することで、ヘモグロビンは酸素を細胞へ受け渡しやすくなります。
反対に、呼吸をしすぎて二酸化炭素が過剰に減少すると、ヘモグロビンは酸素をしっかり握り続けてしまい、細胞へ酸素を渡しにくくなります。

つまり、 酸素だけたくさん吸えば良いわけではない ということです。
この仕組みは「ボーア効果」と呼ばれ、呼吸と身体の働きが密接につながっていることを示しています。
【二酸化炭素不足による影響】
呼吸量が増えると、体内から二酸化炭素が必要以上に排出されてしまいます。
すると血液はアルカリ性へ傾き、この状態を**「呼吸性アルカローシス」**と呼びます。
二酸化炭素が減少することで、脳や全身の血管は収縮しやすくなります。
その結果、血流が低下し、脳や筋肉へ十分な酸素や栄養が届きにくくなることがあります。
また、前述したように二酸化炭素が不足すると、ヘモグロビンは酸素を細胞へ受け渡しにくくなります。
血液中には酸素が十分にあっても、必要な場所でうまく利用されない状態になるため、さまざまな不調につながる可能性があります。
その結果、
• 頭がぼんやりする
• 集中しにくい
• めまい感がある
• 手足が冷える
• 疲れやすい
• 首や肩がこりやすい
といった症状が現れることがあります。

もちろん、これらの症状にはさまざまな原因が考えられます。
しかし、慢性的な呼吸過多による二酸化炭素不足も、その一因となる可能性があることがわかっています。
~まとめ~
呼吸は、単に酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出すだけの働きではありません。
適切な呼吸によって体内の二酸化炭素が保たれることで、酸素は必要な細胞へ届けられ、身体は本来の働きを発揮することができます。
「深くたくさん呼吸すれば健康」というイメージがありますが、大切なのは量ではなく質です。
〜次回予告〜
次回からは、今回学んだ呼吸の仕組みが実際に私たちの身体へどのような影響を与えるのかについて解説していきます。
「なぜ呼吸が姿勢の乱れにつながるのか」
「肩こりや首こり、腰痛と呼吸にはどんな関係があるのか」
「呼吸を整えることで身体はどのように変わるのか」
といった内容を、日常生活の例も交えながらわかりやすくご紹介します。
ぜひ次回もご覧ください。
〜参考資料〜
• 厚生労働省 e-ヘルスネット
• 厚生労働省
• 日本呼吸器学会
• ASI AppliedSensorimotoIntegration
*執筆者*
三浦真由子




コメント